猫は一途で情に「熱い」
猫の情は深い
死を理解する猫
知人が他界した直後、家族は葬儀等の準備で忙しいだろうと、様子見ついでに猫の世話に行った。
猫は奥の部屋から、故人を安置した場所へ出て来て、立ち去る気配を見せない。故人の枕元に供えられた湯のみから、水を飲んでいる。
抱いて撫でると、毛がバサバサだ。
1週間前は、毛艶が良かった。飼主の死を理解し、哀しんでいるのだろう。
普段は直ぐに抱っこから逃れるが、忙しく立ち回る人々を見て、また知人の死を悼んで寂しいのか、大人しく抱かれる。
2時間抱いて、水を飲んでまた1時間。3時間も抱かれていた。
猫も人につく
「犬は人に、猫は家につく」
と言われるが、猫は実は人につく。
そしてその情は深く熱い。
『鍋島の化け猫』の様に、猫が飼主の怨みを晴らす話は多い。
猫の飼主への想いが、深く激しい事の現れだ。
猫は察しが良い
知人が入院すると、猫はその事を理解していた。
闇雲に知人を探したりしない。鳴いて呼んだりもしない。
飼主が入院して不在の事、1日1回誰かが世話に来る事をきちんと理解している。
黙って、大人しく日々を過ごす。
そして飼主の帰りを信じて待つ。
ハチ公の様に、人目につく駅で座って待ったりしないだけで、じっと耐えて待っている。
落ち込み沈み込んでいる時に、猫が寄ってくるのは、飼主の欲目ばかりではない。甘えてくるのとは違って、「何だ。どうした?」と問いかけてくる。
引越し時の犬猫
キジシロ・ハチワレは、一回引越しを経験している。
個性の差もあるだろうが、特にそわそわ落ち着かないという事は全くなかった。
荷物搬入の際は流石に大人しかったが、業者が帰ってしまえば、猫パトロールを開始した。その姿は腰が引けることものなく、以前から住んでいたかの様に馴染んでいた。
ハチワレは3歳で我が家に来たのだが、その時から物怖じもせず、怯える様子も見せず、キジシロの相手をしていた。
子供時代を犬と共に過ごしたが、転勤族だったので、犬達も家移りを2年周期で経験した。犬達は、引越し先では当初、落ち着かない。飼主の姿を発見して(鼻がいい筈なのに)、激しく尾を振り声を聞いたり撫でてもらって何とか落ち着くという感じだった。大型犬の方が、体がデカイ分、激しい。
この経験から、猫が家(場所)につくというのは、そうでもないと思うのだ。
大事なのは、「飼主も一緒に、新しい家に居る」という事だろう。
猫は一途
「猫を殺せば七代祟る」という言葉が示す通り、猫は一途だ。
(それにしても「化け猫」といい「祟る」といい、猫に関してはおどろおどろしい言葉ばかりだ)
我が家の猫もハチワレはツレ、ミケは子供だけを溺愛している。
ハチワレもミケも、自分にデレデレはしない。
それぞれ自分の好きな人間だけを、一途に目掛けて甘える。
人の居ない時、一時側に寄ってくる様にみえて、彼等の愛する人が帰宅すれば、用済みだ。見向きもされない。
そんな所が、また飼主心を擽るのかもしれない。
キジシロはプライドが高く、他の人や猫の前で甘えてこないが、2人っきりの時はデレデレだ。だから風呂や自室にこもる際は、他の猫・人お断りにして、2人の時間を満喫する。キジシロの甘える姿が拝めるのは自分だけと思えば、更に可愛い。
残された猫
知人は猫と2人暮らしだった。
一緒に布団に入り、同じ時刻に飯を食う。そして抱かれて、つきまとって暮らしていた。きっとその記憶を大事に、猫は余生を過ごすのだろう。
今回、虹の橋で待つのは知人の方だ。
それまで、元気で過ごして欲しい。時々は訪れて、撫でてやりたい。
本日の落ち処
猫は一途で情が深く、思いも熱い。
猫だって、人につく。
言葉を介さなくとも、事情を察し、弁える。
だからこそ、可愛く愛おしい。
猫だって、飼主を亡くせば、哀しみは現れる。
知人の猫の毛並みに、猫の心を知る
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当面ルネスタ2mgにする。最初から寝れるならその方が良い。減薬はもっと先で考える事にする。
今日は暑かったが、来週は寒の戻りだそうだ。服装調整が難しい。2、3年「秋」を経験していないので、何を着れば良いのか悩む。
加味逍遥散料は朝晩2服、白虎加人参湯は毎食前3服。
就寝前はセロクエル・デジレル。お八つにドグマチール50mg。
(薬の自己調整許可あり)
2019(平成31)年3月29日(金)