鬱は未来にも怯える
来たる世で 母に幸あれ 乞ひ願ふ 癒やす言の葉 もたぬ我が身は
不確定な未来にすら怯える鬱 言葉かけの難しさ
毎年恒例、正月前に「里帰り恐怖」により鬱を悪化させる母に
(記事はこちら『人生「生きづらい」と思ってしまったら、生きて行けない 』)
そろそろ落ち着いてきた頃かと電話した。
予想に反し、やけに具合が悪そうだ。
統合失調症の弟のことか? 父の事か? 問題起こしまくる弟家族の事か?
「何かあった?」と尋ねても「うん……まあね。。。」だけで言わない。そこで引くわけにはいかないので、「父の事で何かあった?」と柔らかな口調で軽く突ついてみる。
「父のことじゃない」と答えるので、少し安心する。
何年か前、突然「非定型うつ」の様に(自分は「母は双極性障害」だと考えている)怒りが暴走し、毎晩父に暴力を振るうようになったことがあるからだ。父は全身青あざだらけで、脳梗塞発作後の薬の副作用で血が固まりにい状態で、大ごとだった。
不確定な未来に怯え、鬱悪化
漸く聞き出せば、来たる4月を予測して、鬱を悪化させていた。
地区の老人会長が横暴らしく、父が諌める為に「立候補する」と役員の前で1度だけ言ったらしい。諌める為の発言であり、父が本当に立候補する訳ではない。
それに、老人会内のそのゴタゴタは父の問題であって、外に出ない母にはなんの影響もない。
万が一老人会長になったとして、事務作業に長け、各戸を訪ね歩くのを厭わないどころか楽しむ父なので、母の手が煩わされる事は決してない。
鬱で家事も出来ない、寝てばかりの母の手を、そもそも父はあてにしていない。
それなのに、母は「4月からは忙しくなる。大変になる」と3ヶ月も前から不安に怯え、鬱を拗らせているのだ。
そんな母の不憫さに、胸がつまる。
言葉がけは難しい
「立候補すると決まった訳ではないだろう」とやんわりと様子を伺いつつ、何度か口を挟む。下手に強く否定すると、母は頑迷になってしまう(頑迷さも精神疾患のため)。
「選挙も行われるか、わからないし、父が会長になる訳ではない」
「なったとして、忙しくなるかな?」
言っても無駄な様な気がするが、自分の経験上、一度は問いかけておく事は大事だと、母の考えを尊重しながら伝える。
「決まった訳ではない。寧ろ、その様な事態にはならない。不確定なそんな3ヶ月も先の未来に、今から不安に感じて怯えなくていい」
対人コミュニケーションスキル乏しい自分は、精神疾患なクセに、どの様な言葉が適切か、相手の気持ちに共感している事を伝えられるのか、分からない。
同居する家族なら、ただ側に寄り添っていれば、言葉は要らない。
だが、離れて暮らす鬱に苦しむ母に、どう言葉をかければ不安が少しでも和らぐのか、癒せるのか、分からない。
だから自分は口をつぐむ。
これは母だけに対してではない。
例えば、ブログを拝読して、その重い気持ちに共感出来たとして、コメントとしてどういう言葉を使えば伝わるのか、分からない。だから既読スルーだけ。
友達にも、知人にも「その苦しみは伝わっている」とせめて何か伝えたいのに、分からないからただ黙る。
母が「9時に父が帰ってくるから、味噌汁を温めて出したい」と言うからすかさず返す。「凄いじゃん」
「凄くない。味噌汁作ったのはお父さんだから。私は温めるだけ」
そんなの知ってる。
鬱で家事を全くしなくなった母を前に、父は60超えてから「男の料理教室」から、今では「老人の料理教室」へ通い、料理も洗濯もしてきた。
そんな鬱が酷い母が、父の帰りに合わせて温めることがどれだけ凄くて、良い事(症状として)か、その気持ちが大事だと伝えたい。
「生きてる間はね、このままお父さんには迷惑かけるしかない。だからおかしいけど、生まれ変わったら、お父さんの役に立てる様になるの」
「凄い、凄い。いい事じゃん」
「凄くない。何も出来ないし、来世なんて笑われる」
「「役に立てる様に」と思える事は大事。生まれ変わった先まで考えらるなんて凄い。味噌汁を父の帰りに合わせて温められる事はとても大事でいい事、凄い事。凄い事だよ、お母さん」
40年も鬱の波の中に、ぼんやりと漂っている母。
花を愛し、本当は春が好きな母の心が少しでも安らぐ様に
未来すら鬱に不安を感じさせる。言葉は重要過ぎて、難しい
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健常人(この単語は嫌いだが、他の表現を知らない)の様な起床時間、睡眠時間👏👏👏
明日も願う!!!
ルネスタ2mg、ベルソムラ1/2錠
(薬の自己調整許可あり)
2019(平成31)年1月13日(日)