確定申告会場での個人情報の取扱注意 - どうせ此の世は偽りばかり

確定申告会場で個人情報ダダ漏れ

先日、確定申告に行った。

特設会場は広く、職員も申告者も大勢で、熱気ムンムンだ。

配慮されるのは、マイナンバーだけ

マイナンバーは、カードを入れる透明ケースにも、番号欄はグレーに塗られ、見えない様な配慮がされている。

当然、職員達もマイナンバー取扱にはかなり注意を払っているのが見受けられ、ブース内でのみ処理している。

ところが、源泉徴収票や障がい者手帳の写といった添付書類は、「それを持ったまま他の申告者ブースに行く」という仰天する程、配慮がなされていない。

加えて、「障害者。障害者」と何度周囲に聞こえる程の声で連呼された事か。隣の申告者がその言葉に反応して、此方を見てくる。「障害者なんだ」という引く様な、ある種の否定的感情も垣間見える様な視線。

苦言を呈しても、それどころではない、ごった返す会場雰囲気。溜息しかでないというか、かなり呆れた。

不逞な考えを持てば

他人の源泉徴収票を自分のブースに置かれたら、つい見てしまわないか？

自分は確実に見る。そして、「こんなに金持ちなんだ」とか思ってしまう。

収入金額・名前・住所はどうかしたら、軽く頭に入ってくる。もし、不逞な考えを持って見れば、それは利用できる情報ではないか？

個人情報収集目的で申告会場に来れば、宝の山ではないのか？

不正利用出来るのではないか？

情報買取会社に売る事だってあり得る。

個人情報の重要度

マイナンバーの重要さは、述べない。

だが、源泉徴収票や支払調書だって、かなりのレベルだ。それに株や利子や配当所得もあるなんて、源泉徴収票を作成した会社でも知らない程の個人情報だ。

医療費も、家族構成も、保険の加入状況も丸わかり。

マイナンバーは、その場では数字でしかないが、添付書類は具体的な事項が詳細に記され、見たその場で分かる。

税務署は普段から税に纏わる業務をやっているのだろうから、その辺の感覚がおかしくなっているのか？

「障害者」と連呼されるのは、自分ですら嫌だった。

自分より、ナーバスな人だって多い。別にコソコソしてくれと言っているのではない。「障害者手帳何級」と言うのはかなりの個人情報だと思うのだが。

退職事由が「障害」もかなり希なケースだろうし、赤の他人に知られたくない。

職場名を横の申告者に聞こえる程の声で、連呼するのも問題だと思うのだが。「あぁ、あの会社」とか思われる危険性を考えられないのか？

教育不足

特設会場では、税務署職員だけでなく、派遣やパートの立場で携わっている人員も多い。彼らは、事前に研修がされたと思われる。申告事項の項目内容とか入力方法とか、確認すべき事柄とか。少し混みいった質問は「職員を呼ぶ」となっていた。

（何度も「職員を呼んできます。職員に確認します」と言われたので）

何人もの申告者が入力途中で手を挙げて、職員を呼ぶ。大体が割合すぐ答えられ、すぐに済む内容である事はわかる。そういう申告者をなるべく早く終了させる方が、全体の待ち時間が短縮する事も理解出来る。だが、他人の書類を持って関係ない人のブースへ行くのは問題があり過ぎる。離れる時、書類はその人のブースに一旦置いていけばいいだけだ。

これは、事前教育で徹底すべき事柄だし、教育すればよい問題だ。

書類を持って他の申告者ブースへ行く職員は1人ではなかった為、教育されていないのだと感じた。